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 第3回 台風15号による静岡市の水害と災害発生時の対応について(体験談)

 第3回 台風15号による静岡市の水害と災害発生時の対応について(体験談)

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第3回目のテーマは『台風15号による静岡市の水害と災害発生時の対応について』になります。

2022年9月23日、24日未明にかけて静岡県に台風15号が接近しました。
上陸こそはしなかったものの台風からの湿った風により、降水帯が発生して静岡県では記録的な大雨となりました。

そんな実体験を記録を残しつつ一部コラムっぽくない所もありますが綴っています。

 

【雨量について】

今回降った雨量を静岡気象台の観測データから確認すると23日(246mm)24日(172mm)です。

1時間毎の雨量としては、23日20時 ~ 24日3時までの8時間で400mm近くの雨が降っています。特に24日2時には1時間の雨量が107mmを記録する滝のような大雨が降っています。

この総雨量がどれだけ凄いのか…

静岡の平年値の降水量を参考にすると『8月と9月の約2か月分に近い雨量が8時間で降った』と言えます。また1時間に80mm以上の雨量は『猛烈な雨で息苦しくなるような圧迫感がある。恐怖を感じる』気象庁の基準にあります。

その中でも『寝ている人の半数くらいが雨に気づく』という内容も記載されていましたが…
近所の方では雨に気が付かず朝まで寝ていた方も居ました。あの雨の中それはそれで凄いですね(-_-;)
  

【七夕豪雨について】

昔から静岡市(旧清水市)には有名な災害として『七夕豪雨』があります。

昭和49年7月7日(七夕)に旧静岡市と旧清水市を襲った大雨の為、七夕の名前が付いています。

特に清水に昔から住む人でしたら誰でも知っているくらい有名で、小学校の授業では必ず習う位の物です。
私が小さい頃はあちらこちらに、洪水痕跡(ここまで水がありました)をよく見かけたものです。その為、実際体験した訳でもないのにこの年になっても日付までしっかり覚えているんですね~ぇ!

ちびまる子ちゃんの作者である、さくらももこさんが小学3年生の時に体験した内容が描かれまるちゃんの町は大洪水の巻としても有名です。

まるちゃんが永遠の小学校3年生なのは、この災害など思い出深い事が沢山あったからとも言われています😉

 

この七夕豪雨ですが、雨量が1時間83mm、24時間雨量508mmを観測しています。
この時、安倍川(旧静岡市)、巴川(旧清水市)が氾濫し、死者27名、浸水家屋26,000棟の被害がありました。

やはり七夕豪雨の時の水害が凄まじいものだったのですね(;^ω^)

 

【七夕豪雨と台風15号の比較】 ※静岡気象台のデータより

少しでも分かりやすくなるよう七夕豪雨と台風15号に伴う水害の時間帯別雨量を中心に比較してみました。

※同じ条件(時間帯など)で比較した値で、値が大きい場合は赤文字にしてあります。

災害種別日付1時間当たりの雨量24時間の総雨量1時間当たり雨量海(潮位)
七夕豪雨1974年7月7日22時 76.0mm
23時 71.0mm
24時 60.5mm
229.5mm83.0mm
1974年7月8日1時 46.0mm
2時 64.0mm
3時 50.5mm
4時 76.0mm
278.5mm84.5mm満潮6:46
142cm
台風15号による水害2022年9月23日20時 41.5mm
21時 55.5mm

22時 42.0mm
23時 76.0mm
24時 12.5mm
246.0mm91.0mm
2022年9月24日1時 15.5mm
2時 107.0mm
3時 42.5mm
172.0mm107.0mm大潮
満潮4:13
148.8cm

もし9月23日24時台と24日1時台に雨が弱まっていなかったら…もっと被害が深刻だったんでしょうね😓

 

このように数字だけ見ても年配の方々が『七夕豪雨の再来』と言われる理由が判りますね・・・
よく見ると時期は少し違いますが、時間帯も結構似ているのが判ります。年配者の方にとってはまさに再来と思われた事でしょう。

 

因みにこの七夕豪雨が発生した事がきっかけで巴川の氾濫防止の為、
 ・大谷川放水路が建設 ⇒ 1秒間に25mプール1杯分を排出
 ・遊水地の整備 ⇒ 東京ディズニーランド4個分のエリア整備

 ・橋、川幅の拡張や堤防の整備 ⇒ 堤防には高校生が絵を書きました
等の様々な治水事業が進められてきました。
 
これらの事業のおかげで1時間に69mmくらいまでの雨量に耐えられる整備を行ったと言われています。
 
しかし今回はそれらだけではカバーしきれないくらいの雨が短期間に降ったのだと思われます。
 

【ライブカメラから分かる事】

今回の水害はもしかしたら『大潮で満潮時間が重なった事も関係したのかも』しれないですね…

巴川の潮差(潮の満ち引きによる水位の変化)は静岡県土木総合防災情報(能島雨量水位観測局)のサイトのライブカメラから確認する事ができます。
定点画像としてみる事が出来ますので、思っている以上に水位の変化が判りますよ。

因みに上記ライブカメラは過去の情報を見る事もできます。時間も経った為、過去のデータを見るのは少し面倒でしたが水害が発生した時間帯前後をキャプチャしてみました。

※1コマ2秒(手動も可能)で画像が切り替わるよう自動再生に設定してあります。
※23日23時~25日8時が災害発生から水位が戻るまで
※25日13時、25日17時が潮位の変化
※10月1日15時が元の水位と水の濁りがなくなった日

23日23時時点の水位
24日0時30分時点の水位
24日1時時点の水位
24日2時30分時点の水位
24日3時時点の水位
24日4時時点の水位
24日5時時点の水位
24日6時時点の水位
24日7時時点の水位
24日8時時点の水位
24日9時時点の水位
24日10時時点の水位
24日11時時点の水位
24日12時時点の水位
24日13時時点の水位
24日14時時点の水位
24日15時時点の水位
24日16時時点の水位
24日17時時点の水位
24日18時時点の水位
24日19時時点の水位
24日20時時点の水位
24日21時時点の水位
24日22時時点の水位
24日23時時点の水位
25日0時時点の水位
25日1時時点の水位
25日2時時点の水位
25日3時時点の水位
25日4時時点の水位
25日5時時点の水位
25日6時時点の水位
25日7時時点の水位
25日8時時点の水位
25日13時時点の水位
25日17時時点の水位
10月1日15時時点の水位

 出典:静岡県土木総合防災情報 SIPOS-RADAR

 

当時のライブカメラの様子からしても『水害発生時の水位は24日3時と4時が最大で5.4m』になっています😓
因みに9月24日は4:13が満潮で潮位は148.8cmです。

 

【巴川水系は昔から水害が多い】

今回の水害があったエリアは七夕豪雨と似たようなエリアであり、特に巴川とその支流付近を中心に被害が酷い状態です。

この巴川ですが主に現在の清水区を流れ勾配が緩やかな川(1/250~3500程度)です。
川の特徴として汽水域が河口から約5km位離れているエリア(能島)まで広がっています。その為、普通にボラが居ます。(ある程度の年齢までボラは川にいる魚だと思ってましたので・・・)
小さい頃はこのボラを釣りたくて何度チャレンジした事か・・・タモも使ったなぁ~😌
あ、脱線してしました💦

それだけ巴川は勾配が無い川と言うことが言えますね。

巴川の勾配については少し興味が有ったので、後日河口から起点まで実際に歩いてみました👍

途中土手沿いを通る事が出来ない区間もあり、若干の累積標高の変化はありますが河口から約15.3km地点(全体の83%)まで約8mくらいの標高しかない為、歩いた結果からも勾配を知る事ができます。参考:ブログYAMAPログ

巴川河口から起点までの右岸の標高差(勾配)

 出典:YAMAP (グラフ部のみ利用)

2023年4月1日 追記
「ブログで使用している地図でも掲載して欲しい」と言った要望がありましたので追加しました。
ただGPSの精度の問題もあり、若干凸凹した結果となっています。(YAMAPは軌跡の標準化をしている為、滑らかです)

合計距離: 18387 m
最高点の標高: 63 m
最低点の標高: 1 m
累積標高(上り): 473 m
平均気温:
総所要時間: 02:10:16

 

【流域内人口の比較】

少し古い情報ですが、平成27年静岡市の人口71万人にたいして約5割にあたる35万人が流域内人口(巴川水系の周辺に住む)と言われています。(出典:巴川流域水害対策計画)

 
その値を静岡県内にある、他の一級河川の流域内人口と比較してみると次の通りになります。

安倍川水系(16.9万人)、狩野川水系(48.2万人)、大井川水系(8.1万人)、菊川水系(7万人)、天竜川水系(長野、愛知、静岡の合計70.5万人)と、なっています。
 
巴川は流域面積104㎢、僅か18km程度の短い川ではありますが、流域内人口が多いのも特徴です。
 

参考までに利根川水系(1,308万人)、淀川水系(1,107万人)、荒川水系(1,019万人)となっています。(出典:国土交通省の発表の情報)

勿論人口だけで被害総額などを見る事はできませんが…人口割合からしても川の氾濫や最悪堤防決壊となった場合は甚大な被害がでる事が予想されます。

 

【地図から見てわかる事】

清水区周辺の主要河川のみになりますが、国土地理院の地図上にマーキングし標高別に色分けしてみました。
そうする事で今回水害の被害のあった地域と類似しました💦

ハザードマップでも似たような条件を一つの基準として決めていると思いますので、当たり前の結果かもしれませんが…
静岡市ハザードマップ(巴川水系 都市浸水想定区域図)

 出典:国土地理院 GSI Maps

 

もし興味を持たれた方は国土地理院用の地図に使う為のデータ(河川を示したgeojson形式のデータ)をダウンロードできるようにしておきます。
ダウンロードはコチラから可能です。(ZIP形式ですので解凍してお使いください)

因みに国土地理院の地図は色々なアングルで見る事ができるので、眺めているだけでも楽しいですよ♪

 

【我が家の被害状況】

過去にも何度か床下浸水的なものはありましたが、今回ばかりは我が家も床上浸水の被害にあいました(´;ω;`)ウゥゥ
上の地図で言うと丁度濃い青の部分に該当しています。

幸いにも車は早くから移動した為、水没からは逃れる事が出来ましたが、住宅と倉庫は完全に水没。
1階エリアにあった、家具、一部大型の電化製品、衣服、食料などが水没し大半を処分する事になりました。

特に酷いのが家具ですね…
MDFの材質でできたカラーBOXのような物は全て水を含み、膨張した為、清掃しても利用できない(開かない等)状態で大半を処分しています。
またフローリングは元々老朽化していたこともありますが、張替えしないと安全に歩くこともできない状態です😰

そして何より酷いのが、日に日に物が使えなくなっていくのが判ります。最初は良くても数日後は使えない物(開け閉めできない、動かない、臭う)が大半です。

ただ、一ついえる事は我が家まだ良い方です。
どちらかと言うとただの水没程度で、ひどい地区は土砂が建物の中に流入し、泥の掻き出しを自分達だけでは難しく、業者やボランティアの方に依頼しないと復旧が難しい建物もありました。

 

【災害ゴミによる問題】

今回の水害は比較的住宅が密集した地域で起きている為か『災害ゴミがとても印象的』です😩
我が家でもかなりの量を処分しました・・・

災害発生当初、各自治会では比較的早く行動し『近くの公園や川の土手を災害ゴミの回収場所』に定めました。
しかしものすごい量が運ばれる為、スペースもみるみる無くなり最後は投げ入れている状態です。

公園など道路に面していた為か車で移動して捨てやすい事は良かったのですが、逆に災害ゴミ以外(便乗ゴミ)も増えた原因になった感じが否めません😥

その為、早く動いた自治会程ゴミの量もマナーも悪かった気がします。

今となってはですが、冷静に考えれば場所を決めるのと同時に『ロープなどを使い置き場所を仕切れば』大分違ったのかもしれません…畳、電化製品、家具、危険物的な仕切りです。
 
ただ災害ゴミの定義も難しいと思います。
我が家も居住エリアを少しでも広げる為に1階で使っていた物を2階に上げ、逆に2階にあった不要な物は仕方なく捨てるしかない状態でした…2階の物は水害にあった物ではありませんが、処分しないと物が入らないです。
何より荷物が溢れかえり住めないでは仕方ありません。実際遭遇すると本当に難しい問題ですね😵

でも、そういった背景があっての事か、結果的には静岡は災害ゴミが溢れかえり処理(処分)しきれなくなり、自衛隊に派遣要請(依頼)をしました。他にも問題などあったにも関わらず、最終的にはごみ問題がだけがクローズアップされた形で全国ニュースになっていました(;^ω^)

静岡市民としてはなんとも情けない話です…

 

因みにこの時に出た『災害ゴミの量は推定2万トン』との事です。

量だけ聞いても良く分かりませんね💦その為、重量が判る物をいくつか調べてみました❕

 ・新幹線(N700) 約44トン  約481車両相当
 ・奈良の大仏(盧舎那仏) 約250トン  約80体に相当
 ・東京タワー 約4000トン  5つ分に相当
 ・レッドキング 約2万トン  ピッタリ
 ・ゼットン 約3万トン  66%相当
 ・ウルトラマン 約3.5万トン  57%相当
 ・東京スカイツリー 約4.1万トン  約半分程度

重量別の比較としてはこんな感じです。どうです❓
怪獣レッドキングくらいという事で大分イメージ掴めたんじゃないですか(^^♪

って無理ですね💦真面目にいきますね(-_-;)
 

静岡市が発表しているごみの統計結果を元に比較してみたいと思います。
 

令和2年度分を見ると家庭ごみの中でも『可燃ごみ138,000トン』『不燃・粗大ごみ約12,600トン』です。

あくまでも年間の排出量ですが『静岡市の可燃ごみで例えると約2ヶ月分に相当し、不燃・粗大ごみで例えると19月分に相当する量が今回の水害により発生』したということが言えます💦

 

またごみ処理にかかる費用として令和2年度は、収集と搬送費用:20,734円/トン、処理費用:20,463円/トン 合計:41,197円/トン
と、1トン当たり41,977円掛かっています。

仮にこの金額で処理できたとして『41,197円 × 20,000トン = 823,940,000円』かかる事になります。
今回の水害による処分費用は、仮に従来通り処分できたとしても8億円以上余分にかかると言うことが言えます。

これだけ考えても震災による問題がいかに大きいかわかりますね…

因みに令和4年度の静岡市の歳入案3,378億円となっています。
※市議会9月度定例会では補正予算案として、災害ごみ処理関連事業は23億5千万円となっています。

 

他にも東日本大震災で発生した災害ゴミの量と東京23区の可燃ゴミの量も比較対象としてご紹介致します。

まずは東日本大震災の災害ゴミになります。詳しくは環境省が発表している資料をご確認頂きたいと思いますが、災害廃棄物:2,000万トン、津波による堆積物:1,100万トンといずれも推定量ではありますが記載がありました。
13道県(239市町村)分とは言え桁違いの量で改めて被害の凄さがわかりました💦
1市町村当たりの平均でも災害廃棄物:83,682トン、津波による堆積物:41,841トンとなります。

一方東京都23区のごみの量は、東京二十三区清掃一部事務組合が発表しています。そのデータを見ると令和3年度の可燃ごみ(集荷分)が年間約166万トンとなっています。
毎月13.8万トンのゴミが出ていると思うと、どこの自治体もゴミが問題になる理由が判りますね。

 

【水没車について】

災害ゴミと切っても切り離せない問題としては水没した車があげられます。

水害発生時はハザードやクラクションが付きっぱなしの車が大量にありました。その後水が引いてからは車が道路を塞ぎ通行止めになっていたり、窓ガラスが曇った車を数多く見かけました。
また、一部の車では窓ガラスを割らないと車に侵入できず、窓を自分で割っている方も居ました。

今回の水害では推定3万台以上が水没したとも言われています。
修理も高額になり売却も難しい事から、その大半が廃車を辿るとの事です…

参考までに日本自動車査定協会では、
 ・フロアまで冠水した場合は30%以内の減点
 ・クッション(シート)まで冠水した場合は40%以内の減点
 ・ダッシュパネルまで冠水した場合は50%以内の減点
と、中古車査定の基準になっているようです。

天面まで水没した車...
天面まで水没した車…

静岡県は東西にも南北にも長い県です。その為、公共機関より車やバイクを使う方の方が圧倒的に多いです。
また今回は深夜遅い時間での水害だった為、車の避難が遅れたのも否めません。

そうした背景から水没車も多くなったと思われます。

 

9月30日現在の発表ですが、JFAによれば2,000件以上の救援要請がありました。

冠水(水没)した場合の対応方法としては、

 ・いきなりエンジンキーを回さない、エンジンボタン(プッシュボタン)を押さない
 ・ボンネットを開け、水に浸かっている場合はバッテリーのマイナス側のターミナルを外す
 ・外したターミナルがバッテリーと接触しないよう絶縁処置
 ・ハイブリッド車(HV)、電気自動車(EV)はむやみに触らない

いずれも車両火災の恐れがあり危険な為、注意が必要と案内があります。

どれも当たり前の事が書いてありますがパニックになると、とっさの判断ができない為、しっかりと覚えておく必要がありそうですね。

また車の保険のとして車両保険に入っている方は今回保険対象となっていましたが、リース契約(残価設定型含む)は注意が必要です。

近所にリース契約等で車を購入している方が数件ありましたが、いずれも車は廃車扱いとなり返却する事ができない為、残価だけが残りそのまま支払いが必要な状態です。

リース物件 = 借り物です。

リース会社に非が有る訳でもないですし、返却する事は当たり前の事ですが意外に盲点として感じている方が多かっただけに、契約時に注意が必要です。

近年はリース契約(サブスク的な言い方で…)が流行っている為、デメリットになりうる事ですので利用する際は、契約内容を必ずご確認下さい。

 

【断水による影響】

我が家では災害発生当日の午前10時位までは水が出ていました。しかし、それ以降は徐々に水圧が弱くなり、午後にはチョロチョロ程度になりました。そこで初めて断水していると言うことを知りました。
 
今回清水の大規模断水は興津川にある承元寺取水口に大量の流木と土砂が入り込み確保が出来なかった為に、断水が発生したと言われています。※承元寺取水口は清水区の約9割分をカバーしています。

実際もう少し上流にある、興津川の橋げたには大量の流木が残っていました。(2022年10月1日の清地地区)

大量の流木が残っている橋げた

この断水により約63,000世帯(清水区の約8割)に影響が出ました。10/6の完全復旧(飲料できる状態)までに約2週間を要しました。

これでも自衛隊の方々をはじめ取水口の流木除去の為に、夜通し作業をして頂いた事で当初よりだいぶ早く復旧しています。(当初は目処が立たないと発表していましたので・・・)
 

水が出ないと被災地では洗浄もままならない為、本当に困りました…
『コインランドリー』や『温泉等の入浴施設』に人が殺到したのも特徴です。

幸いにも今回の水害は限定的で清水区内の断水だけでしたので、隣接する市を越えれば混乱を避けられました。
この辺りも集団心理等による影響が大きかったのかもしれませんね…

またもう一つ変わった現象がありました。

運送業者の方の荷台には大量のミネラルウォータが積み込まれていました。それを配送する為、かなり遅い時間まで対応されていました💦

理由としてはニュースにより『断水で水が足りない!』ばかりをクローズアップした為、親戚や友人等が全国から被災地に向けて送った物だと思われます。

水不足 = 飲み水

と、なってしまったのかもしれません。
 

でも『実際に困っていたのは飲み水では無く、生活用水』でした。
 
例えば、
 ・浸水した物の汚泥の除去による洗浄
 ・衣類などの洗濯
 ・うがい、手洗い
 ・トイレ
 ・お風呂、シャワー
と普段余り気にしないで大量に使っている水になります。
 

因みに今回断水を経験した人の大半は『水のありがたみ』を実感したと思います。
 
水によって水害被害を受けて、断水により水の確保に苦労するとは何とも皮肉な感じですが…
これが自然本来の厳しさなんですよね(-_-;)

 

日ごろ山に入る事が多く、不自由な生活に慣れている私もこの辺りは改めて痛感しました…
 

【災害発生時に意識した事・注意点】

以下は今回の災害において私個人的な備忘録も兼ねて記載しています。
結果的には我が家は被害の割には、かなり早い段階で普通の生活に戻すことができました。

大半が山に入っている経験を元に色々と考えた結果で行動しています。
ただ、あくまでも個人的な見解によるものですので、鵜呑みにはせず参考程度にお考え下さい。
 
※くりボーはその道の専門家では無く、ただのシステムエンジニア兼登山ガイド + α程度の人間です。
※できる限り公的機関が発表する最新の情報をご確認下さい。
 
 【例】
 ・一般家屋における洪水 浸水など水害時の衛生対策と消毒方法(日本環境感染学会)
 ・被災した家屋での感染症対策(厚生労働省)
 ・水害発生時の家電製品取り扱いの注意点(パナソニック)
 ・水害レポート(国土交通省)

 

  • パニックにならない
    緊急時は大半の人がパニックに陥りやすい為、どこか他人事では無いが冷静に判断できるようにまずは状況を把握。正確な情報収集(自分がどのような状況にあるか)が一番大切です。
    以外に災害そのものより集団心理等におけるパニックの方が恐ろしいとも言われます。
    その為、余り周りの状況に流されないようにする事も大切です。(余裕を持てるよう予め予期し早め早めの行動する事で回避する)
    また過大な警戒心(過剰評価)による問題もパニックに陥りやすい為、注意が必要。
    例えば今回の例としては…
    食べ物や飲み物は豊富にあるのにも関わらず、過去の震災等の記憶から、近くのコンビニやスーパーに人が殺到し買占め等の混乱を招きました。
    日ごろからちゃんと備蓄していれば特に食べ物等の確保は後回しで良いと思います。それに人間1日程度食わなくても死にはしませんよ💦
     
  • 冷静な判断、そして迅速に行動し無駄な事はしない
    水害にあった場合、水に浸かっている時間が長ければ長いだけ様々な物が使えなくなってきます。
    少しでも早く行動して、建物や家財の保全を最優先に考えて対応する事が大切です。また同じような状況下で他の人も同じ行動をする事が予想される為、早め早めの行動が不可欠です。
    特に物の移動などは行ったり来たりと同じこと(無駄な事)を何度もしないように考えて行動する。
    例えば今回の例としては…
    今回床上浸水のお宅などは大工さん等への修繕依頼の電話が殺到しました。
    しかし中途半端なタイミングで連絡した方より、最初に動いた方や逆に遅く動いた方の方が作業自体も早かったようです。また工事等は乾いてからでないとできない為、乾くまでに1か月程度かかる為、結局は大きく変わらない結果になっています。
     
  • みんなで団結(協力)する
    一人では作業が進みません。家族、近所の方と団結して役割分担を決めて行動する。
    特に家族に年配者がいる場合は茫然と立ち尽くしてしまう事が多い為、できる事を何か手伝って貰いましょう。
    どうしても作業上難しい場合(言葉が悪いですが邪魔になってしまう)は、宿泊施設や避難施設などに一時的に入って貰うことも大切です。
    また最初は無理に近所の方に依頼をするのでなく、できる事から確実に熟し作業する事が大切です。
    その内、余裕のある方(経験者)等の救援により作業効率が良くなると思います。
    できない事は後回し❕です。
    それと若い人にもしっかりと協力して貰いましょう。
    きっと色んな考え方を持っていると思いますが、遠慮している方も少なくないと思います。若い人の力は不可欠です。年寄りだけでなんでも決めるのでなく、緊急時だからこそ若い人にも協力してもらいましょう。
     
  • コミュニケーションを大切に!
    今回の災害時は携帯電話やスマホが余り機能しませんでした。最初はしっかりと動いていましたが、利用者数が急増した影響か、日中はデータ通信に限らず通話も支障が出ている状態でした。
    それにより外部からの情報も極端に減ります。
    実際自分達がどのような状況化なのかすらわかりませんでした。(周りの地区はどうなっているのか?など)
    その為、お手伝いやお見舞いに来て頂いた方から情報を聞く事も大切です。
    また、ある程度余裕が出てきた段階で近所の方に声を掛ける事も大切です。何か差し入れや回覧を持って行くついでに『どうですか?』『大変でしたよね』的な会話で良いと思います。同じ境遇を越えて来た方々なので、きっとそれだけで会話も弾み、どことなく気持ちもスッキリすると思います。
     
  • 遠くの親戚より近くの他人
    ことわざで有るように『いざという時頼りになるのはやはりご近所さん』でした。
    逆に遠くの親戚(兄弟)はニュースで事を知り連絡してくる程度…状況も判らないので仕方ない事だと思います。
    でも近所の人はどうでしょう。最初は戸惑っている方が大半でしたが、徐々に協力し合って助け合うケースが強かったです。また同じ地区でも被害が少なかった方々はボランティアや差し入れ等の支援により本当に助かりました。これほどご近所さんが大切だと思った事はありませんでした…
    新興住宅地やマンション等に住んでいると中々難しい事かもしれませんが、ホント大切な事です。
     
  • 感染症対策
    浸水した際は床や家屋を早く乾かす為にも、全ての窓・ドアを開けてしっかりと換気する。
    足元は何が落ちているかわからない為、必ず靴を履く。最初は土足を気にしない。
    極力ゴム手や軍手をする。浸水した物は思っている以上に菌汚染などのリスクが高い為、素手などは余り触らない方が良いです。実際動物のフン等も流れ家の中にまで入ってきている為、非常に不衛生な状態です。
    それ以外にも汚泥が乾燥すると砂埃がひどい為、屋外に出る時は必ずマスク、できればゴーグルを付ける方が良いでしょう。
    洗浄方法としては、我が家ではまず水で仮洗いして、それから拭き取りをしました。
    ふき取り掃除の際はなるべく有る物として、次亜水(キッチンハイター)を希釈した物、アルコールやヒバ水を使って拭き取りしました。面倒でも何回かに分けて拭かないとザラザラしたり汚れが落ちません。
    また色々と不衛生になりがちなので、こまめに手洗い、うがいを心掛ける。(最初はペットボトルのお茶等で代用しました)
    ある程度落ち着て(乾燥して)来てから、消毒(クレゾール、次亜塩素酸ナトリウム、オゾン)などを実施しました。
     
  • 重量物を持つ場合は一人で頑張らない
    水没した物は思っている以上に水分を含んでいる為、重くなります。特に昔ながらの厚みのある畳なんか一人ではまず持てません。
    またどこか『汚れたくない』『濡れると気持ち悪い』と言った心理が働きしっかりと持たない為、力が分散してしまいます。その為、一人で行動すると非常に危険な場合があります。
    例えば今回の例としては…
    ピアノを一人で押して移動しようと頑張った結果ガシャンと倒したり・・・私じゃないですよ(;^ω^)
    冷静に考えれば普通200kgくらいある物を一人で動かさないですよね…
    また水分を含んでいて思っている以上に脆い(腐っている)場合もありますのでやはり危険です💦
     
  • 2、3日目以降が正念場
    災害発生当初はメンタル的にもフィジカル的にも問題ない為、有る程度自分の中で整理さえ付けば効率良く作業できると思います。しかし、日に日に慣れない作業の連続で疲れていきます。
    その結果、足腰が痛くなったりメンタル的にも将来の事を考えると不安になり現実逃避をしたくなります。
    作業効率も極端に落ちると思います。誰でも終わりが見えない物は耐え難いと思います。
    その為、なるべく活動している事が実感できるように家の中を優先的に片付けるのが良いと思います。
    生活する上で、物が散乱していると気持ちの上でも休めないと思います・・・
    まずは不要な物(時に室内にある水没した物)はどんどん処分する(外に出す)に徹しました。
     
  • 最終的な片づけは自分じゃなきゃできない
    過去に災害ボランティアなどの経験はありましたが、今回初めて被災者となりました。
    今までは『何か手伝うことありますか?』と言ったスタンスで考えてましたが、実際被災者になると手伝って貰うことは本当に限られてしまう事に気が付きました。
    最終的な片付け(どこに何をしまったか等)は自身で作業するしかありません。ボランティア等でお手伝いをされる方は、男性なら『重量物を運ぶ』『汚い物を除去する』、女性なら『高齢者・子供やペットの面倒を見る(話し相手になる)』『炊き出し』等に徹する事が良いと思います。
    何か指示されたら手伝うべきですが、間違っても『何かありますか?』『指示して貰えれば…何か手伝いますよ!』的な事は言わない方が良い気がしました…
    被災者自身、自分の事がままならないのに指示なんか出せないので・・・
    今までのボランティアに対しての考えがガラッと変わりました😔
     
  • こまめな水分補給とトイレ休憩を
    少しでも早く片付けたい一心で、食事も水分補給もトイレ休憩も余り取らずひたすら作業を続けました。実際作業に没頭した為、忘れていたのかもしれません…
    作業をしていると、皆と一緒に休憩を取る事も難しいと思いますがこまめに休憩はしましょう
    私はトイレに行くタイミングが余りなかった事もあり、若干膀胱炎気味になりました・・・
     
  • 最初はよくても日に日に酷くなる
    水害発生当初は正常に使えていた物でも、水を含んだ事で膨張してきたり、電源を切った際に以降使えなくなったりと段々後から気が付く物があります。(交通事故の後、数日後にむち打ちとか痛くなると同じですね)
    その為、最初はよくてもある時使えないなんて事は必ず出てくると思います。本格的に使う前に必ず動作確認を行って下さい。水害発生当初は換気の為、あちこち開けていましたが、少し寒くなり扉を閉めたら閉まらない…なんて事は数か所でありました💦
    服も然り…今回は季節の変わり目だった為、少し苦労しました。
     
  • 収納ボックスの活用
    今回一番活躍したのが収納ボックスです。大半の家具を処分してしまった事で収納場所が無くなりました。
    そこでなるべく安く、蓋つきの収納ボックス(樹脂)または段積みできるボックス(樹脂)を買い揃えました。
    1階エリアは移動の連続でしたので、いつでも誰でも移動できるように考えた結果です。またメタルラックを併用した事で予想以上に収納スペースを確保できました。因みにメタルラックにキャスターを付けた事で運ぶ際も楽でしたよ👍
     

【情報(デマ)に惑わされない】

戦争や災害時等は必ずと言っていいほど不安を煽る情報(デマ)が流れます。コンピュータの世界でもそれは昔から時代ととも内容は変化しますが必ず発生しています。

今回災害時に聞いたデマをご紹介致します。
※こちらはあくまでも誤った情報(デマ)として発信されたものですので詳細は控えさせて頂きます

  1. フェイク画像(AIにより作られた画像)による嘘の投稿
    特定のキーワードから画像を生成するサービスを活用し、まるで被災地を連想させる画像をドローンで撮影したとしてTwitter上に掲載されました。それにより5,000回以上リツート(転載)されたと言われています。
     
  2. 断水により工業用水=工場から出た水を上水道に流していると言ったデマ
    本来工業用水とは製造業、電気供給業、ガス供給業などへ本来供給する水(飲料には向かない水)です。
    にも関わらず『工業 = 汚い』と言ったイメージを連想させる悪質なデマでした。後から市などはそのような事実は無い事を正式に発表しています。
     
  3. 給水所付近で駐禁切符(駐車禁止の切符)を切られた
    SNSを通じて『警察に駐禁切符を切っていた』といった情報が発信された事により誤った情報が拡散されました。後日静岡県警は『そのような事実は無い』と正式に発表しています。

 
この中でも気になるのは、1番の新しい技術を悪用した偽情報です。
今後の模倣犯的なものが心配です。(ただ、これにより新しい技術に対しての過度な規制も困ります・・・)
今までは芸能人などを使ったフェイク画像で問題になる事はありましたが、今回のように災害時に使われたケースは初ではないでしょうか❓

誤った情報(デマ)は東日本大震災やコロナによるパンデミックの時にも色々とありました。
人間の心理(不安を煽ったもの)をついた内容かもしれませんが、冷静に判断し、デマに惑わされないようにする事が大事です。

また、便乗〇〇的なもの増えました。
『修理費用のボッタくり』『助成金等の案内』『空き巣被害』など災害発生から数週間したことで増えてきました。

 

デマそのものを規制する法律はありません。
ただ、場合によってはデマを流した事で犯罪になる場合もあります。
犯罪に加担しない為にも、根も葉もない噂話は常日頃から流さないよう注意しましょう。

 

  

【水害発生からの時系列】

日時状況
9/23
22時頃
雨が強くなり雷が鳴り始める
9/24
1時頃
道路の冠水がひどい為、高い場所に車を移動(道路はひざ下位の40cmくらいの水位)
水が濁っており足元が全く見えず側溝等が判らない為、道路の中心付近を歩き帰宅
玄関周りの片づけ開始。床下収納は上げ、浴槽は栓をして水を貯めておく
雨が止まない為、雨雲レーダを確認するとまだ1時間以上降る事を知る
同日
2時頃
1Fから2Fへ物の移動を開始
玄関ドア下から水が侵入した事を確認。運ぶピッチを速める
食べ物、飲み物、電化製品を優先的に上げ、重たい物はテーブル等の上に移動
同日
2時半頃
漏電の為か停電発生。ランタンとヘッデンを使い片付け開始
念の為、ブレーカを下す
排水口辺りから『ボコッボゴボゴ』と逆流する音が聞こえ始める
床や壁等がきしむ音が聞こえた後、フローリングより水が『ジワァ~』と浮き上がる
記録を残す為、写真を撮っていると畳がプカプカと浮き始めた為、2Fに避難
同日
3時頃
近所の水没した車からクラクションやセキュリティ音が鳴り響く
雨が少し弱くなるが、まだ水位は上がっているのが判る
外を見ても状況が悪い為、寝ようと努力するが寝付けない・・・
取り合えず非常用トイレの準備と会社に状況を伝える為、Eメールにて連絡
満潮時刻を調べると、大潮の時期で4時13分が満潮との事
同日
4~5時
とても時間が長く感じる
周辺の状況を記録として残す為、写真や動画を取る
満潮の時刻をピークに水位が下がり始める
同日
6~12時
水が一気に引き始めた為、片付けを開始するのと同時に家財道具などの写真を残す
水が使える時(水圧が弱くなると思っていた)にと思い、壁紙・フローリングを中心に水をかけて仮洗浄
屋外の水が引いたのを確認。和室にある物を全て(畳も含めて)屋外に出し退避場所を確保
リビングやキッチンに有る物は全て和室に運び出し水洗い
和室に有る物も全て屋外に出す
静岡市危機管理総室に問い合わせし、災害ゴミをどのようにしたら良いか確認(明確な回答なし)
この時に電話に通信障害が出ている事に気が付く
自治会長に電話で聞いた災害ゴミの取り扱いについて話をし、どのようにするのか指示して貰う
水圧が弱くなり水がチョロチョロ程度でしか洗浄ができない
同日
12~20時
漏電の恐れが一番なさそうな2Fのブレーカを上げ、電気が使える事を確認
高圧洗浄機を使おうとしたが水圧が弱すぎて利用できない
屋外の水栓柱が比較的水が強い為、高圧洗浄機までのホースを60cmくらい短くすると利用可能
高圧洗浄機を使い自宅内。特に床部分を再洗浄
外壁、窓サッシ、基礎部、室外機、給湯器、草刈り機、塀、倉庫を洗浄
倉庫内の災害ゴミを処分 これで8割方処分は完了
全身泥だらけの為、シャワーでも良いので浴びれる所を探すが中々無い
(女性専用だったが、緊急時と言うことであるお店が対応して下さった)
この時の帰りに偶然にも望月将悟さんに会う 二人で『よぉ!』状態🤣
将悟さんは電話中でしたが、敬礼して頂きこの時かなり勇気付けられた❕
ダメもとで冷蔵庫の電源を付けてみると、コンプレッサーが回りだし冷え始める
長い一日だった為、早めに就寝
2日目
9/25
朝方水が比較的出る時間帯に浴槽に水を貯める
友人が差し入れで色々と足りない物と食事を持ってきてくれる
収納ケースが全く足りない為、収納ケースの買い出し
ついでにコインランドリーに向かったが市内はどのお店も混んでいる
道もかなり混雑している為、思い切って隣町の藤枝まで移動して処理(全く混んでいない)
災害が局所的である事に気が付く
購入した収納ケース等を使って荷物の整理 & 不用品の処分
高圧洗浄機を使っていると色んな人になぜ使えるか聞かれる。(給水用のホースを短くしている事を説明)
夜は駿河健康ランドが営業している為、向かったが入館までに約30分待ち
お風呂も混んでいる気がしたので、先に食事に行くが45分待ちの案内
久しぶりにゆっくり座っての食べ物で家族全員ホッとする(特に味噌汁)
お風呂に無事に入る事ができて帰宅後就寝
3日目
9/26
朝方お風呂に水張
残っている片付けと不要な物の処分。災害ゴミの回収場所は今にも溢れそうな量
フローリングの反りが酷く裸足だと怪我しそう・・・
近くのカフェの方が差し入れとしてお菓子やおにぎり、飲み物等を提供して下さった
知り合いや親せきなどが多数来て、かなりの量の差し入れを頂いた
非常にありがたい事だが、何しろ人の対応が多い…
夜は草薙の湯に向かったが、外まで人が並ぶくらいの混雑の為、諦める
幸いにもガスコンロが利用できる為、鍋、ヤカンを用いてお湯を沸かし、熱湯を浴槽へ入れて温度調整
冷たくない程度のお湯を使って風呂替わり
テレビが見れるくらいの余裕も出てきて日常が戻り始める
4日目
9/27
3日目同様お風呂に水張
水圧が大分戻ってきた事を確認
朝方ダメもとで洗濯機を使ってみたが無事に完了
近所の家の片づけや高圧洗浄による洗浄の手伝い
フローリングや壁等の補修の為、業者と打ち合わせ
高圧洗浄機のパッキンが割れた為、2代目の高圧洗浄機を購入
水道水を飲んだ為か、水あたりの症状が出たという方が近所に数名居た
3日目同様熱湯を浴槽に入れて温度調整してお風呂替わり(大分慣れて来た)
5日目
9/28
仕事復帰
水道がほぼ戻ったが、まだ飲料用には適さないと正式にアナウンスあり
アナウンスが遅い為か、既に飲んでしまった方多数
3日目同様熱湯を浴槽に入れて温度調整してお風呂替わり
6日目
9/29
ガス給湯器の修理完了(完全に水没したが部品交換だけでなんとかなった)
久しぶりに我が家でのシャワー(温水)利用
8日目
10/1
山間部では孤立している箇所があると聞いていたので興津の方へ手伝いに行く
床の反りが日に日に酷くなり、更に歩くと踏み抜きそうな箇所がある
ベニヤ板と養生シートを使い床面に設置
保険会社の現地確認と保険金額算出
11日目
10/4
自衛隊の方の作業により公園内の災害ゴミが全て無くなっていた(日中作業したとの事)
本当に感謝以外のなにものでもありません
12日目
10/5
建築会社よりフローリング等の張替え作業の見積もりと工事日程について説明あり
工事期間中は1階部分は全く利用できない為、全ての荷物を一度移動する必要あり
1階の荷物を2階や倉庫へ移動(これが意外に面倒。折角生活に慣れてきたが・・・)
保険会社より保険金の入金
扉が閉まらない等の建具の不具合が段々発生(日に日に酷くなる)
16日目
10/9
壁紙の剥がしと洗浄
床下や洗浄が出来なかった台所・洗面所下が臭う
オゾン発生装置を購入
19日目
10/12
オゾン発生装置による臭い消し開始(浸水した箇所を片っ端から)
空き巣被害によるパトロール強化のアナウンス
25日目
10/18
激甚災害指定
死者2名、負傷者6名、全壊6棟、半壊8棟、一部破損100棟、床上浸水2638棟、床下浸水3902棟(内閣府12日発表)
27日目
10/20
罹災証明受領
65日目
11/27
災害ゴミ仮置き場の受け入れ終了
今後は「戸別収集の申し込み」または「清掃工場への持ち込み」
69日目
12/1
補助金関連の手続き完了
リフォームに伴う作業がやっと着工可能となる
80日目
12/12
フローリング解体作業
当面は食事は台所で立って食べる生活
82日目
12/14
シロアリ防除の為、薬剤散布
フローリング張替え作業開始
96日目
12/28
1階リビング部分のフローリング張替え作業完了
一旦荷物を移動して、少し日常が戻る
97日目
12/29
大掃除実施と照明スイッチ、コンセントが老朽化している為、全て交換
100日目
2023/1/1
新年早々両親がコロナ感染(私は濃厚接触者となる)
後に大工さんも感染した事が判り、年明けの作業は一旦延期
113日
1/14
玄関、元和室エリアの作業は一旦終わり、壁紙の方に作業がシフト
119日目
1/20
一部を除く壁紙の張替え完了
122日目
1/22
台所、洗面所エリアの解体作業開始
解体完了後、フローリング張替え、キッチン、洗面所の搬入取り付け予定
130日目
2/1
キッチン、洗面所、建具の取り付けが完了
これにより全てのリフォーム完了(災害発生から130日目のこと)
※自分の思い出の為にもあえて時系列で記載

  

 

【最後に】

災害は決して良い物ではありません。被災者にとってはただの災難です。
また一部の人達は『自分さえよければ』の考えが非常に強くなる事も有るかもしれません…

しかし、災害の中ではコロナ禍により人との関りが少なくなった世の中であったとしても『協力・支援という日本人本来の思いやり、助け合い』を感じられる場面でもありました。
 

2011年の東日本大震災の中では『がんばろう日本❕』のキャッチコピーが流行りました。

今回の災害によりその辺りの事を考えさせられるものがあり、近い未来来るであろう大地震などの災害時にも役立つ良い経験ができたいと思っています。

今回の水害は特別何か壊れて壊滅的な被害が出た訳でも無く、死傷者もほぼ無いに等しい限定的なものでした。
各自治体は今回の災害をモデルにし、より安全な社会を構築して頂きたいです。

 

また今回このようなテーマでコラムを書いた理由の一つとして『一部だけを切り取り、正しい情報が流れていない』と感じました。

その為、一被災者として、少しでも正しい情報と体験談をお伝えできればと思って綴っています。

 

人間にとっては厄介者の自然災害(土砂・浸水災害)かもしれませんが、自然界にとっては土砂崩れにより汚れた大地を洗い流し、生き物の育みをもたらす。
まさにリセットなのかもしれないですね…

循環型システム(緑のダム)のイメージ
循環型システムにより同時に食物連鎖も起こります

土砂崩れ ⇒ 有機物が川や海に流れる ⇒ プランクトンが増える ⇒ 魚が増える ⇒ 鳥や大型動物の餌になる ⇒ 糞をする ⇒ 緑が増える

※詳細は環境のHP(里海ネット)をご確認下さい。