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 第4回 山と歩く ウォーキングの必要性について

 第4回 山と歩く ウォーキングの必要性について

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第4回目は『山と歩く ウォーキングの必要性について』です。

 

まず『山』と一言で言っても厳密な定義は無いようです。意外ですよね~ぇ(;^ω^)

その為、人によって考え方は様々だと思います。一般的には傾斜がある場所を100mくらい登ったら山となっている事が多いんじゃないでしょうか❓

私が育った静岡県では日本で一番高い山の富士山(3778m)をはじめ、3000m級の峰々を持つ南アルプスもあります。勿論300m位のハイキングにピッタリの山だってあります。
 

一般的には日本百名山なんていうのは有名ですが、それ以外にも日本百高山なんて言うのもあります。

読んで字の通りですが、日本で高い山だけを表した物です(一部主峰の付属とみなし除外されている山も有りますが…)
その中でも3000m峰(3000m以上の山)は静岡、山梨、長野、岐阜、富山にだけ跨っているんですね。

日本の中でもほぼ中心にあたる中部エリアだけに全て集中しているんですね~ぇ(੭ु´・ω・`)੭ु⁾⁾

 
逆に日本一低い山もあるみたいですね(^^♪
こちらはどれも行った事ないですがYAMAPなどで時々見かける事が有ります。

 

 

では突然ですがここで質問です😁
登山時におけるトラブルは『登り』と『下り』どちらで多いでしょうか❓

 

正解は・・・

 遭難事故を含む山での事故の大半は『登り(行き)より、下り(帰り)が圧倒的に多い』
と言われています。
 

理由は様々ありますが、その1つに・・・
下りは思っている以上に筋力を使います。
その結果、筋力不足によりバランスを崩しやすく、転倒や滑落事故が発生しやすいと言われています。

特に中高年の方は筋力低下が顕著に表れる為、注意が必要です。

 

※ 他にも『焦り』『集中力』『経験不足』等もあると思いますが、ここでは
 比較的トレーニングにより回避がしやすい物として『筋力・体力』不足を主に考えたいと思います。

 

実際、私も登りより『下山時の方がスリップ等に出くわすことが圧倒的に多い』です・・・

精神的にも『後は下山するだけだ…』と、気が抜けるんですよね・・・

雪山なんかでは、特にその辺が顕著で『登っている時のスリップはまずありませんが、下っている時はよく滑ります』

 

 

ちょっとここらでガイドっぽい事を…
  山歩き(ウォーキング)のポイントを書きたいと思います。

 

 
【歩き方のポイント】

  1. 登りは体力が必要、下りは筋力が必要
    勿論両方必要ですが、『登りでは主に体力が必要』とされ、逆に『下りでは筋力が重要』です。
    疑問に思われる方もいるかもしれませんので、少しわかりやすく例を挙げてみます。

    車を運転する方は車の燃料をイメージして下さい❕

    同じ坂道でも・・・ 
      登りばかりだと = アクセルは平地より強め、ブレーキは少ない ⇒ 燃費が悪い
      下りばかりだと = アクセルは少なく、ブレーキが多め ⇒ 燃費が良い
     
      ※ 車に乗らない方は、自転車で考えて見てください。(アクセルはペダルです)

    イメージつきましたか❓❓
     
    それと同じで『燃料 = 体力』です。逆に『ブレーキ = 筋力』です。(アクセルを例えると心臓かな❓)
    ブレーキばかり踏んでいては、ブレーキが焼き付いたり、摩耗が激しくなりますよね。
     
    人間の場合だと。筋力を酷使すると乳酸(疲労物質だと思って下さい)が溜まり、筋肉の『張り』『疲労』『痛み』等の症状が発生します。それらが集中力を欠く原因の一つと考えられます。

    これを頭の片隅に入れておいて下さい。
    だから登山をする為には、『体力作りと筋力作りの2つが重要』と言えます。

     
  2. 大股で歩かず、一歩を小さくしてゆっくりと歩く
    段差が高いところは別ですが、一般的に勾配に合わせて『一歩の歩幅を小さく』してください。
    また『ゆっくり歩いて』下さい。そうする事でバテ難くなります。
    登山用語では『歩き休み(歩きながら休む事)』なんて言葉もあります。
     
    仮に平らな場所でも『走る = 息切れ』でも『歩く = 息切れしない』となりますよね❓
    「歩いても息切れしますが・・・」と言う方は、申し訳ないですが停まってしっかり休んでください(;^ω^)

    それと全く同じでだと考えてください。
     
    ただ、これ・・・簡単なようで特に若い人には難しいんです…
      ・若い人は早く登れるけど、すぐにバテて休憩(ウサギさん戦法)
      
    ・年配者は遅いけど、休憩が少ない(カメさん戦法)
    と、なってしまう事が多いです。
     
    理想はカメさん戦法です。
    登山を始めたばかりの時は、抜かしたはずの方になぜ抜かされるのか・・・と思うことが多々ありますね。
    私も何度もありました…(;^_^A

      
  3. 正しい姿勢で前を向いて歩く
    ついつい足場が悪いと足元が気になって、下ばかり見てしまう事が多いと思いますが・・・
    そうなると前かがみの姿勢になり、体の軸がブレて疲れやすかったり最悪転倒の恐れがあります。
     
    ザック(背中面)に硬い物が入っており
    『背筋が伸びている状態を意識し、目線は先を見る感じで、若干前傾姿勢気味を意識する』と歩きやすいです。
    また、足は肩幅に広げて若干ガニ股気味が体の軸がブレなくて疲れも軽減できます。
     
     
  4. 足の裏全体を使うようにベタベタした感じで歩く
    傾斜がある登りでは『つま先立ち気味に歩いてしまう事がありますが、これでは脹脛(ふくらはぎ)に負担がかかり疲れ』てしまいます。
    その為、通常の登山(極度に急峻な斜面や岩場やアイゼンを付けている場合などを除き)では、足裏全体をベタっとつけて歩くとバランスもとりやすく疲れも軽減されます。

     
  5. 斜度がきつい場合は、ジグザク歩きを
    急峻な場所などはつづら折り(ジグザクに折れ曲がった)になっている事が多いです。
    それと同じで、もし斜度がキツイな・・・と感じたら、自分なりにジグザクしたように歩くと軽減できます。
    『急がば回れを意識』してみてください。
    元々つづら折り自体自然にできた物では無く、急な斜面を最短で登ろうとすると体力の消耗が激しく、そして危険な為、つづら折りになった場合が多いと思います。
     
     
  6. 必要に応じてストックを使う
    キツイ時はストックを使いましょう❕意固地になっても駄目です。
    ドラマなんかでも見かけますよね!
    「ストック(杖)なんか、女・子供が使うもんだ!だから使わん!!」的なシーンを…
    でも体力や筋力が悲鳴を上げてからでは遅い場合もあります。
     
    因みにテント泊用の装備を持っている場合等はザックが20kgを超える事もザラです。
    そんな時は『ストックを使って補助するだけで、体の重心が本来の位置に近づき不思議と楽』になります。
     
    参考までにトレランの大会でもストックは許可されている事が多く、決して道具に頼ってズルをしている訳では無いんですよ。
     
     
  7. 無理は禁物 時には撤退も大事
    山に登っていると気象条件、体力や筋力不足、技術的不足と色々と感じる面はあると思います。
    そんな時は無理せず、早めに撤退を❕
    様態が悪くなってからでは下山できるものも、難しくなってしまう場合もあります。
     
    『撤退は悪い事ではありません。ただ次の目標にすれば良いだけ』です。

    よく言ったもので『山は逃げない、次くりゃいいさ❕』行くのも勇気、引き返すのも勇気です。
    私も知り合いをガイドした際に、山頂まで距離にしてあと100mも無い所で、時間・天候的にも厳しいと思い下山した思い出があります。下山30分もしないうちに雷⚡を伴う雷雨でした・・・💦
     
     

『活動時間』 は 『健康レベル』❓

よく足(ふくらはぎ)は『第二の心臓』なんていわれるくらい重要な筋肉です。

全身の血液のうち約7割が重力の関係もあり下半身に集まると言われています。
そんな血液をふくらはぎ(下腿三頭筋)は心臓に戻す為のポンプ的な役割がある事から第二の心臓なんて言われています。

しかし、その重要な足なんですが、残念ながら年齢とともに必ず衰えてきます・・・(;´・ω・)

 

でも適度な運動によりそれを遅らせる事はできますよ!!

 

よく昔から『1日1万歩』・・・って聞くことが有りますが、実は歩数計の商標登録である万歩計(山佐時計計器株式会社)から1日1万歩が定着したと言われています。

ただ現在は厚生労働省でも1日1万歩の歩数確保が理想としているようです。

 

だいたい1万歩は距離にして7km~8kmくらいになります。若い方ならけっして歩けない距離ではないですが、現代社会では乗り物を使ったり、エスカレータ等を使ったりと楽な生活をしている為、中々達成できない方が多いのではないかと思います。

最近では厚生労働省を中心にスマートライフプロジェクト健康増進普及月間(毎年9月)等を定めたり、国民の健康づくりをサポートするプロジェクト等も実施されており、その一つにウォーキングが含まれています。

それ以外にも企業対抗のウォーキングイベント(アプリ)が実施されたり、各企業の独自の健康をテーマにした取り組みが増えて来ているのが特徴ですね👍


【3つの浴?】 

少し話が変わりますが、『よく』って言われたら何をイメージされますか?
多分「物欲」や「食欲」等の欲望の話の事かと思われてしまうかもしれませんが・・・

『日光浴』『森林浴』『海水浴』と呼ばれるアウトドアでしか感じる事ができない『3つの浴』と言う物があります♪
あくまでも健康法ではありますが、馬鹿にできない事だと思います。

日光浴 ⇒ ビタミンDを作るのに重要
      1日15分以上太陽に浴びる事で脳内物質のセロトニン(幸せホルモン)の分泌によりストレス軽減に繋がるなんて言われています。
      また悪いイメージがありますが、紫外線を浴びる事により体内でビタミンDが生成される事でカルシウム吸収が促され骨粗しょう症などを防ぐとも言われています。

海水浴 ⇒ 免疫力アップや美肌効果
      温泉のように効果が海水浴にはあるなんて言われています。

森林浴 ⇒ リラックス効果
      フィトンチッド等(檜の香り等)の樹木から分泌される成分が自律神経に作用してリラックスさせるなんて言われています。
      また五感(視覚、聴覚、嗅覚、感覚、味覚)を刺激する事で忙しい現代人の究極の癒しになる事でしょう。

山においては『日光浴』と『森林浴』の2つは必ず感じられる事が多く、森林セラピーなどと言われる事もありますよね(^^♪ 他にも山歩きのいい事は多々ありますよ(*^-^*)

だから同じ歩くでも、街中を歩くより山の中を歩くことをおススメします❕

動いた後のご飯はとても美味しく感じると思います!

また歩く事で初めてコミュニケーションも取る事ができると思います!

 

きっとコロナに感染したり、濃厚接触者になったり、少なからず行動制限を受けた方でしたらその辺りは非常に感じられた場面が多いのではないでしょうか・・・

 

 

【コロナ禍により運動不足❓】

皮肉にもコロナが世界中で流行ったことで行動制限等により、日ごろから余り歩かなくてもよい生活が当たり前になってしまいました😿

このコラムを書いている2023年1月時点でも、コロナ感染者数は前半は急激に増えて、後半は減少傾向にあります。

まだ先の事は判りませんが、このまま収束してくれればもっと元の生活のように活動的に動く方も増える事でしょう。しかし…この数年で低下した体力・筋力は大きいと思います❕

いきなり3000m級のアルプスに行くような計画するのではなく、日ごろからウォーキングをはじめ徐々に慣らしていく事が良いと思います。

急なトレーニングは体に負担を掛けるばかりで良い事はありません。また決して長続きもしません。

 

コロナの状況に関わらず、日常生活を送るうえで、

 ・エレベータやエスカレータを使う ⇒ 階段を使う

 ・車や電車で移動する ⇒ 歩き、自転車を使う

 ・電話やLINE等で連絡する ⇒ なるべく会って対面でコミュニケーションをとる

 ・過度な食事制限 ⇒ 毎日1歩でも多く歩けるように努力

を心掛ける事で習慣となり、生活スタイルが大きく変わってくると思います(‘ω’)ノ
※ここまでくればきっと筋トレ等のトレーニングも長続きすると思います👍

 

 

人間は生き物です…

生きる物として『活動量が減れば』⇒『食欲も無くなり』⇒最後は『衰弱していきます』

衰弱してからでは遅い為、日ごろから年齢を問わず誰でもできる活動として『歩く事』が重要だと考えられます。

 

活動できる範囲が広がれば、おのずと活動時間(範囲)も自然と増える事でしょう!

高い目標を持って挫折するのではなく、
まずはできる事からの積み重ねが大切だと思います。

一歩一歩しっかりと歩んでいきましょう♪ これは山歩きの基本でもあります…